毎年開催する本部展では「日本剪画美術展」と題し、ニューヨークの国連本部やカナダ、ベルギー、オーストリアなどの海外では「Senga Art Exhibition」と題して展示会を開催し、どの会場でも多くの賞賛を受けました。
海外ではモノトーンで表現するSenga Artに、日本美術の鋭さを感じ、恐怖感すら受ける鑑賞者もおりました。これは、日本人の持っている簡潔な感性が大きく影響していると思います。
浮世絵版画で見られるように、線だけで人物や風景、遠近、硬軟、重軽を表現することは、洋画ではあまり観ることはできません。この浮世絵の線の表現はゴッホや印象派や外光派の画家たちに大きな影響をあたえました。
このような歴史的背景から考察すると、”剪画は正に日本の優れた美術”だと言えると思います。
この処、美術を取りまく環境が大きく変わり、人工頭脳(AI)を駆使して他の芸術的表現とつなげて、劇場的コラボな演出展示が多く見受けられます。
芸術、文化は時の流れに順応したり、逆らったりして発展してきましたが、剪画美術は額装の一点の作品の中に、先鋭な”創作の稜”見いだすことが出来ると思います。
これからも、剪画美術の発展に会員一同、謙虚に努力し研鑽を積んで参ります。今後とも皆様の益々のご叱咤、ご支援をお願い申し上げます。
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