宮崎県の温泉事情と日向地区剪画三人展
出展者:青島 勝・小野 政人・中島英陸
宮崎県の北は大分県の湯布院・別府、西は熊本県の阿蘇、南は鹿児島県の霧島・桜島と隣県には有名な温泉が数え切れないほどある。しかし県境を宮崎に入ると不思議にほとんど温泉がなかった。従って高齢者はもとより、県民はこぞって温泉に憧れていた。
数年前から諸般の事情の内に、県内の多くの市町村が温泉の掘削を試みた。技術の発達した昨今では、温泉を掘り当てるのはそんなに難しい事ではないのだろう。やがて県内数カ所に温泉浴場が誕生した。
日向市も例外ではなく、眺望の素晴らしい海岸近くに「サンパーク温泉お船出の湯」を建設した。待望の温泉施設のオープン時には、多くの客が殺到して喜び、裸で談笑する姿が見られた。
しかし、残念ながら数日後に不幸な自体が発生した。このレジオネラ菌問題の詳細は、ここでは省略させて頂こう。その後温泉施設では、被害者への謝罪や設備の改善のため、しばらく混迷の時が続いた。平成15年末に営業を再開し、現在の新しいスタッフは、汚名払拭と、多数の客誘致に懸命である。
最近私は当館を利用した際、墨絵等が展示してあるのに気が付いた。早速打診したところ、快く了解を得て「剪画協会会員 青島・小野・中島の三人展」を開催することとなった。
当館は基本的に入浴、休憩をする場所なので、客の出入りは多いが、設備構造上、多くの作品を展示することは難しい。そこで、4月3日から30日まで美しい室内の廊下の壁に13点を展示、階段の踊り場2カ所に飾る2点は適当な時期に新作と入れ替える…ということで作品展をスタートした。
展示2・3日目に早速地元新聞やケーブルテレビの制作部が取材してくれ、多くの方に作品展を知ってもらうことができた。一般客からは、好感をもって迎え入れてもらい、会場責任者からも感謝されて内心快哉である。
作者側としては剪画の後継者発掘に役立てば…と祈る気持ちで経過を見守っている。
(小野 政人)
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