平成16年4月、養父郡内の四町が合併して養父市が誕生しました。その記念すべき年に「第40回大屋文化祭特別展」として「剪画の世界」を是非開催して欲しいと、文化祭実行委員長・公民館長・係長から8月末に依頼を受けました。
その準備のために長い間棚や倉庫に眠っていた作品を取り出し、総点検をしたところ、白いマットに染みがあったり、額の破損などが見つかったり、作品の整理には意外と手間取りました。また公民館職員との打ち合わせや案内状の作成、1日体験などの準備に忙殺される日々が続きます。剪画協会からは「うちわ展」出展作品より18点をお借りし、私の作品36点、剪画愛好家作品18点と揃い、準備が整いました。
文化祭実行本部でも準備がおおかた完了した10月20日、超大型台風23号の直撃を受けました。但馬では山の土砂崩れがおき、樹木は至るところで根こそぎなぎ倒され、増水が激流となって丸山川の堤防を数カ所決壊させたため、豊岡市、養父市、日高町、出石町では高さ5メートルの濁流に襲われて、街並みは水没しました。死者、負傷者も多くを数え、被害の大きかった町では文化祭どころではありません。大屋町では文化祭を開催すべきか否か議論がなされましたが、幸いに家屋の被害の程度はそれほど大きくなく、文化祭の準備も整っていることもあり、むしろ気持ちの沈滞している町民を励ます意味からも実施に踏み切ることに決まりました。
公民館職員の方々の大変なご協力のもと、予想以上の素晴らしい展示会場となりました。石田会長からは特別展に寄せて貴重なメッセージで花を添えて頂き、感慨無量でした。
会期の3日間立ち会い、大屋町並びに町外の大勢の親しい方々と久しぶりにお会いして談笑したり、剪画に関する質問にお答えしました。嬉しい言葉をかけて頂いたことは、剪画の世界に触れていたからこそ…と満足感で一杯です。会場には425名という多くの方々のお名前が芳名録に残されておりました。
1日剪画体験では、積極的な人はもちろん、尻込みする遠慮がちな方にも声を書かけて、実際に剪画の制作を体験して頂きました。参加者の皆さんは、出来上がったミニ色紙を大喜びでお持ち帰りになっていました。
剪画特別展を盛り上げて下さった町職員の皆さん、石田会長、大月副会長、事務局のご協力があればこそ、大盛況裡に会を終了することができました。心から厚くお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
(阪根美智子)
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