昨年に続き結城公子会員が剪画でスライド用カット画を、神戸市を中心に活躍している「朗読シアターKOBE」とコラボレーションで、初めて県外に進出して行いました。
剪画カット作品を使った朗読劇で、津軽三味線、太鼓などの効果音を織り交ぜて臨場感を演出しました。
演目は「おかあさんの木」「おこんじょうるり」「へいわってすてきだね」の3本だてです。
猛暑の折に大勢の方の来場があり、大いに感動して頂きました
〇「おかあさんの木」あらすじ
7人の子供を育て上げた母親が、最初の子供(一郎)が出兵した時は、お国の為にしっかり頑張るように励まして見送りました。おかあさんは息子が出征する度に裏の空き地に桐を植え、息子が不在の間、代わりとなる桐に語りかけて息子たちを励まし続けた。
一郎が戦死し、遺骨となって戻って来たことをきっかけに、次第に手柄を立てるより無事に戻ってくることを願うようになっていった。息子たちは全て召集され、戦争が終わっても誰一人戻らず、戦死または行方不明になっていた。
おかあさんは次第に体が衰えていったが、それでも息子たちの帰って来るのを心待ちにして、自分が植えた七本の桐の木に絶えず語りかけた。
しばらくして、行方不明になっていた五郎が負傷した足を引きずりながら家に戻ってきた時には、おかあさんは「五郎」と名づけた桐の木にもたれかかったまま息絶えていた。 ・・・・
五郎は母親の思い出に、甘い実のなるクルミの苗を1本、植えて大事に育てました。
クルミの木は立派に育ち、五郎の子どもたちは「おばあちゃんのクルミがなった。とうさん、とろうよね。」と言って、採って食べます。
五郎はいつも、母親の思い出を子供たちに話して聞かせました。
「おかあさんの木」は悲しい話ですが、同時に、“おかあさん”の温かい愛情に触れることができ、心が温まる物語です。
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