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 「せんが抄」 56号より

直平先生奮闘記

東京 小沢 直平

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(前略)

二十一世紀になって五年、幼稚園に入園、平成になって十八年、もう大学生に鳴るのには驚かされます。年々時間が加速度をつけて流れて行く中、還暦を過ぎたアナログ爺さんとしては、流されないようにするだけで精一杯、ましては新たな事に一歩踏み出す事など自分の尻を叩いたところで無理。だとおもっていたところ、昨年の初め幼なじみの男が、北千住でやっている読売新聞日本テレビ文化センターで剪画をやってくれないかという話。
私が他人様に剪画を教えるなど、ゆめゆめ思いもしてなかったので断るつもりでいたが、会長に話してみたら、「教えることは教わることですよ。」この一言で気持ちは三百六十度回転。
七月までの五ヶ月間、幾度か断ろうかと思っていたが、具体的な作業は着々と進み、気持ちが付いていかない。臨時の講師や月夜野での単発の講師経験はあっても、継続的な講師は話が別。
指導カリキュラムはどうしよう。何とか受講生集まらないでくれ。取り越し苦労(結果として)と不安が襲ってくる。会長が執筆された「剪画のテクニック」を引っぱり出し、にわか予習。そんなこんあしている内に6月に1日体験講座。四名集まっちゃった。(あら!もうやるきゃない。)と腹をくくらせてくれたのは受講生の一言だった。
「色々な美術展を見て来たし、以前このセンターで違う方がやっていたけれど、日本剪画協会の作品が良かったから来ました。」嬉しいこと言ってくれたねぇ。
7月6日スタート。三名の受講生でスタート。体験講座である程度カッターの使い方を見ていたので進めやすかったし、私の年齢ではナイフを道具として毎日使っていたので、細かい心配はなかった。
会長が日頃から言っておられる「1日1花」を伝え、わざわざスケッチに行くのも大変だけれど、身の回りの物をスケッチしてくるように伝えると、皆さん熱心にたっぷりスケッチしてくるのには、またまた驚かされた。
額装できる作品も含め、9月のコンクールまでにはそれぞれが何点も仕上げてくるようになった。初めは自分なりに組み立てたカリキュラムを進めようとしたが、それぞれの個性を伸ばすことに切り替え、構図や配色等の問題(疑問)が発生した時に答えられるようにしたら、私の気持ちも楽になってきた。

(後略)

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