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研修会報告
 −剪画実技研修会に参加して−

愛知 竹内 伸

写真 会場風景

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昨年9月11、12日に1泊2日で行われた名古屋研修会に参加しました。

会場(ホテル・ルブラ山王)には各地からの参加者は、会員および一般参加者も含め20名でした。講師は石田会長と小野寺会員のお二人で、まず石田会長の「剪画のカットデザインの技法」についての講義から始まりました。今回は講師認定会員を主な対象とした研修会ということで、かなり高度な内容でした。

カットの構図を考える上での法則とか、イメージした構図に勘定表現するための配色だとか、線とか面などについて、専門的なテクニックの勉強です。実習では、規定の用紙に色鉛筆を使って自分がイメージした主役を配置して、「楽しい」「目出度い」「季節感」「自己主張」を表現するラフコンテを作る作業です。

講義の中では一応頭に入れたつもりでも、開始の合図と共に見事パニック状態になり、「楽しい」表現はいつの間にやら土筆やタンポポの咲き乱れた春の景色ばかり…。「目出度い」は鯛のお頭付きが浮かんできて、結局は先ほどの講義も生かされず反省しきりでした。

続いて講師が変わって小野寺さん。内容は熱圧着紙を使って、切り取った剪画カットに彩色する下準備の手法です。作業台を囲んで講師の手許をじっと見つめる受講生一同、どの顔も真剣です。鳥の子紙や、薄和紙の紹介をはじめ、利用の仕方、アイロン掛けや水テープ貼りなど、手慣れた手つきは要領良く、無駄がありません。熱圧着紙は確かに乗り付け不要で便利です。特にカットや小作品には手軽に完成させることができると思います。

再び彩色は石田先生に交代、アクリル絵の具による色つけは、熟練の手によってあっという間に完成。まるで生き物のように動く絵筆は、見ているだけでも描く楽しさが伝わってきます。少量の絵の具を溶かすのにも都合のよい水差しや、穂先の形が塗りやすい絵筆など、良い参考となりました。

初日の昼間研修は終わり、夕食は懇親会を兼ねての一杯に、どなたもリラックスムードです。やはり話題は剪画一筋、お互い日頃の情報交換に熱が入ります。でも、ゆっくりはしておれません。夜の研修が控えているため、今回はカラオケもシャットアウトで、解散後、次の会場へ向かいました。

夜の部は二部屋にわかれ、年賀状用カット制作が始まりました。すでに絵柄を予定して来た人や、アイデアを考え中の人、石田先生のアドバイスを受けている人など、熱気ムンムン(多少先ほどのアルコールも手伝って)ほとんど私語のない状況で、みんな真剣そのものでした。

二日目は、昨夜制作したカットのはがき制作です。朝食後ぼつぼつ会場へ行ってみると、びっくり。ほとんどの人が予定時刻より早く作業にとりかかっているではありませんか。やや遅れをとった感じで焦りました。熱圧着紙は、彩色の工程で扱いを間違えると大変です。私は不覚にも鳥の子紙の裏表を反対にし、糊の付いている部分を使ってしまい、隣の席の岡崎さんに助けて頂き、なんとか失敗せずに済みました。

この間にも小野寺さんの網ブラシや、エアーブラシの実演と各自の体験学習、そして石田先生のシルク貼り裏彩色の実演など、大変内容の濃い勉強ができました。

最後に全員の制作した年賀状カットの指導講評を石田先生から頂き、研修会の全日程が終了しました。
今回は、かなりハードスケジュールでしたが、参加者のみなさん、とても楽しく、真剣に取り組み、大変有意義な研修でした。

連日汗だくでご指導下さった講師の先生型、お疲れさまでした。ありがとうございました。また、計画から色々とお世話頂いた関東支部の小山さん、大変ありがとうございました。

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